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家に帰ると祖母が古ぼけた料理本を読んでいた。
辰巳浜子著『手しおにかけた私の料理』。昭和35年初版。
ちょっと借りて読んでみると、これが面白い。
最近の料理本とは異なり、写真はさほど多くなく(そしてモノクロ)
そして料理もシンプルなものばかり。
分量も「好きな野菜を、好きなだけ入れればよいのです」(さつま汁)と至ってアバウト。
しかし一つ一つの料理に込めた浜子先生の思いの丈が語られている。
まず前書きで浜子先生は次のように言う。
「料理以前に知らなければならない事が沢山あるのです。
一本の大根の品定めも出来ず、皮のむき方、葉の使い方、
どの部分がおろし大根によいか、漬け物によいか、煮物に適当かとも
わきまえずに庖丁を持ち、水加減、火加減に至ってはより意に介せず、
火にかければ煮えるものと思い込み、出来上がりの不手際は大根のせいにする、というような事では家庭の赤信号です。
御飯はこげる、汁は煮つまる、油は燃える、栄養は流すという
目に見えない不経済の消耗を旦那様が知ったら、
汗水流して働いて持って来る月給をとうてい袋ごと渡す気にはなれないでしょう」
[mixi] オギーさん | 【料理】はま子先生
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